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ブログ紹介

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こんにちは、m03a076dです。
ご来店いただき、まことに有難うございます。
このブログは、医学のお話を中心に雑多なことを書くというコンセプトで成っています。また、学生さんや初期研修医の先生方に役立つような情報を発信していけたらと思ってます。
気楽にご覧下さいませ☆ (this article: last update Jan. 6. 2012)

☆m03a076dについて
経歴など→コチラ
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(黒歴史のリンク先は、一番下の記事から時系列でご覧下さい)

☆ピカピカの1年次研修医/学生さんに
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 ・研修内容など→コチラ
★研修医Starter & Booster★
 ・診断推論→コチラ(作成中)
 ・感染症診療→コチラ(作成中)
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 ・目次→コチラ(マイコプラズマIgMやトロポニン-T、プロカルシトニンなどについて解説)
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★iPhone/Android医療用無料アプリ★
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★予防接種★
 ・日本小児科学会による「同時接種を前提とした予防接種スケジュール」→コチラ

☆名大初期研修パンフレット
初期研修3人がコメントしてます。自分もその中の1人として無難なコメントを展開。
PDFですが→コチラ

☆カロナール処方量について
2011年2月、処方量が変更となりました。頭痛・筋肉痛・癌性疼痛・変形性関節症などに対して、1回量最大1000mg、1日量最大4000mgまで処方可能になりました。急性上気道炎に対しては、従来通り最大500mgまでとなっています。

☆ペルジピン添付文書について
2011年6月、禁忌項目に変化がありました。
(1)頭蓋内出血で止血が完成していないと推定される患者
(2)脳卒中急性期で頭蓋内圧が亢進している患者
以上の患者さんでは禁忌扱いでしたが、これらが警告/慎重投与に移行し制限が緩くなりました。欧米諸国ではペルジピンで良好な結果を得ているので、これで日本でも大手を振って使えるようになりました。ヘルベッサーだと下がりにくくて。。。ただし、研修医単独の判断で使用するのは控えた方が良いと思います。
# by m03a076d | 2013-12-31 23:59 | ★身の周りのお話 | Trackback | Comments(0)

感染症診療 Starter & Booster:第9回~抗菌薬について知っておくこと-13

第9回目次→コチラ

13)メトロニダゾール
 非常に安価なメトロニダゾール(フラジール®)は、細胞内に入り還元されてDNAを障害します。Bioavailability良好で、組織移行性もばっちりです。日本には経口薬しかありません。Bioavailabilityが良いから静注製剤なくても良いんじゃない?と思うかもしれませんが、経口摂取不可能な患者さんもいますし腸の機能などの問題で静注の方が好ましい場合もやっぱりあります。

 狙う菌は嫌気性菌、特に横隔膜より下のBacteroides fragilis groupです(ActinomycesとPropinibacteriumは嫌気性菌ですが、こいつらには効きません)。好気性菌には全く効かないので、基本的にはメトロニダゾール単剤ではなく他の抗菌薬と協同して使います。後はピロリの除菌や細菌性膣症の治療など。細菌以外では、耐性化が進んでいるもののGiardiaEntamoebaTrichomonasといった原虫に効果があります。これの覚え方としてはこれらの原虫の頭文字をとって、GET on the METROというのがありました。

 大事なものに、Clostridium difficileによる偽膜性腸炎の治療薬という立場があります。初発や軽症~中等症であれば、バンコマイシン内服よりもメトロニダゾールを優先すべきです。ただ、日本においてメトロニダゾールは抗原虫薬としての適応があるだけなので、嫌気性菌や偽膜性腸炎を叩く時は患者さんに妙な病名を付けなければいけません。ちなみに偽膜性腸炎、恐ろしい治療法にIMTという、腸内に他者の便を注入する治療法があります(Systematic Review of Intestinal Microbiota Transplantation (Fecal Bacteriotherapy) for Recurrent Clostridium difficile Infection: Clin Infect Dis. (2011) 53 (10): 994-1002.)。誰が考え出したか分からない摩訶不思議。これがまた9割くらいに効いてしまうので恐ろしい。。。何故か近親者の便の方が他人の便よりも効くそうです。しかし自分が患者さんの立場だったら、メトロニダゾールを選ばせて頂こうかと。。。他にはfidaxomicin(フィダクソマイシン)という、日本では認可待ちですが、偽膜性腸炎用の薬剤もあります。

 他には、がん性悪臭を抑えるためにメトロニダゾール軟膏というものを作って塗布している病院もあります。緩和ケアでは大事な知識。

 副作用はあまり起きません。重篤なものには脳症などの中枢神経障害。末梢神経障害や白血球減少も挙げられます。薬剤相互作用もあり、ワーファリンもご多聞に洩れず注意。ジスルフィラム作用があるので、アルコールを摂取すると悪酔いします。妊娠初期、授乳婦への投与はダメです。
# by m03a076d | 2012-01-29 15:43 | ★思うこと・医学一般 | Trackback | Comments(0)

感染症診療 Starter & Booster:第9回~抗菌薬について知っておくこと-12

第9回目次→コチラ

12)ST合剤
 葉酸合成を2段階で阻害します。ST合剤はバクタ®の1つのみです。Bioavailabilityも良く、組織移行性も良好。結構スペクトラムは広く、少し語弊があるものの大きく言ってしまえば「第3世代セフェム+細胞内寄生菌活性」でしょうか。この言い方で漏れる特徴としては、ST合剤はListeriaに効き、そしてCampylobacterとリケッチアとBLNAR型インフルエンザ菌には効かないというところ。他にはCA-MRSAやPneumocystis jiroveciに効きます。日和見感染などでたまに出てくるSPACE+αのうち、SE+αにも対処可能。変わり種ではNocardiaなど。そういえば川崎病の治療に効果があったという発表が前にありましたね。
 随分イメージと違って使えそうな印象かも?と思われたかもしれません。第3世代セフェム+細胞内寄生菌活性を考えれば尿路感染、呼吸器感染、多くの細菌性腸炎などが使えそうだなという印象になります。他の要素も加味すると、第1世代で失敗した蜂窩織炎の治療、ニューモシスチス肺炎なども。が、残念ながら耐性化、特にE. coliが問題になっています。他にはBLNAR型インフルエンザ菌やPRSPに効きません。地域の耐性具合を調べて使用しましょう。

 副作用も強いものがちらほら。Stevens-JohnsonやTEN、骨髄抑制、高K血症など。Cre上昇もありますが、これは高K血症を伴っていなければ恐れずとも大丈夫です。薬物相互作用もあり、SU薬やワーファリンなどなど、きちんと調べておきましょう。妊婦や授乳婦には基本的に禁忌です。

 上手く使えれば、面白い薬です。
# by m03a076d | 2012-01-29 15:36 | ★思うこと・医学一般 | Trackback | Comments(0)

診断推論 Starter & Booster:前座~症状と疾患

目次→コチラ

 今回は前座です。症状が出現することや疾患として理解することにどの様な意味があるのか、を見て行きたいと思います。

 症状、はどの様にして生じるのか?ここで意識してほしいのは、原因と患者さんの生体機構との相互作用、もっと踏み込んで言うと、原因に対する患者さんの反応として生じると考えることです。そして疾患とは、原因と生体機構と症状の3つによって成立するものと言えます。疾患は、患者さんがいて初めて存在できるもの。肺炎球菌性肺炎であれば、大雑把に以下の様に考えられます。

原因:肺炎球菌の肺への侵入(それを許すような脆弱性)
生体機構:免疫システムなど
症状:炎症としての発熱や咳・痰など

 一言加えると、よく高齢者では肺炎でも咳がなくてただだるいだけ、ということがありますが、それは生体機構が弱っているために症状としての輪郭が定まらないことが挙げられます。裏を返すと、高齢者や免疫不全など、生体機構が適切に反応しない患者さんでは、症状がはっきりしなくても軽視してはいけない、ということも言えますね。
 さて、症状は相互作用から生じるものですが、その相互作用は一回性ではなく、原因が除去されない限り常に波打ちながら行われているものです。その相互作用が強くなっていく、弱くなっていく、それによって症状も変動していきます。症状同士や、症状の時間推移による変化など、それらのつながりは非常に大事。そして原因や生体機構も考慮する。言い方を変えれば、相互作用を深く見て解釈することで、私たちはどういう疾患なのかを類推していきます。
 診断は、具象を抽象に変換することでなされます。患者さんにとっては、具体的な症状が襲ってきます。「いったい何が起こっているのか?」つながりを欠いた1つ1つの症状が単独で攻撃してくる。これは破壊や解体を意識させ、言いようのない恐怖を与えます。
 私たちは、患者さんから言葉や態度などとして投げかけられる症状群をリンクさせ、相互作用を見つめることで、疾患と言う抽象概念にまとめ上げ、かかえられる形にして患者さんに伝える。それにより言いようのない恐怖から解放されることへとつながります。
 診断以降の日常診療では、患者さんの中には疾患が分かることにより生じる名付けの不安、そして、それがどうなっていくのかという恐怖ももちろんあります。それをもちこたえられるように、私たちは彼らを援助していくべきでしょう。疾患は患者さんありき。疾患を治療することは、患者さんがその不安をかかえられるようにすることでもあります。

 次からは普通に診断学について少しずつお話しします。次回は「鑑別を行う場所」について(第1回に続く)。
# by m03a076d | 2012-01-28 19:11 | ★思うこと・医学一般 | Trackback | Comments(0)

輸液 Starter & Booster:第5回~ウチとソト

目次→コチラ

 前章で軽く触れた是正輸液。これが厄介です。ここではとりわけ細胞外液量の減少に焦点を当てていくことにしましょう。細胞内液量はNa濃度異常という問題に置換して、別に章を設けます。

 輸液時に考えることは、前にお話ししたように「血管内に水がどのくらいあるか?血管内と細胞間質の間での水移動はどうか?」です。循環を保つことが第一なので、その評価を先にしましょう。そして、足りない量を推測するのが最も重要で最も難しいところ。日本語では体液量の減少を“脱水”と一括りに言いますが、英語ではきちんと細胞外液量減少が主たる場合をVolume depletion、細胞内液量減少が主たる場合をDehydrationと言い分けています。これは非常に大事な概念なので“脱水”という言葉を聞いた時は「この人はどっちのことを言っているのか?」と常に考えましょう。古典的には高張性脱水、等張性脱水、低張性脱水と区分されますが、臨床上はあまり有用ではありません。Volume depletionとDehydrationの二分法で行きましょう。
 そして治療の復習ですが、一般的にVolume depletionには生食を代表とする等張液、Dehydrationには5%ブドウ糖液などの低張液を輸液するんでしたね。ですが、過度のDehydrationでは細胞外液喪失(すなわちVolume depletion)を引き起こすため、その場合はDehydrationでも等張液の輸液をします。例えば血清Na濃度が160mEq/Lであれば、生食(Na濃度154mEq/L)ですらその患者さんには低張なので高Na血症の治療になります。

 患者さんの状態を見るポイントは、Volume depletionには循環障害が、Dehydrationには血漿浸透圧上昇(高Na血症)が伴うということです。前者では血管な容量が少なくなっているので循環系に異常を来たします。後者では主に細胞内液の喪失のため、高Na血症になっています。輸液は、これら血清Na濃度や循環係への影響を見ながら修正に修正を重ねてなされるものです。前提として、Volume depletionがいわゆる「体液喪失」を起こすあらゆる疾患・患者背景で起きるのに対し、Dehydrationは特定の患者背景でしか起こり得ません。Dehydrationは口渇を引き起こし正常なら飲水行動に出るため、その特定の患者背景とは、この飲水が不能なこと。自分で飲水のできない乳幼児や意識障害者、また脳梗塞後や口渇感の鈍い老人などがそれに当たります。循環障害の有無、高Na血症の有無、患者背景。これらをとらえて患者さんを評価しましょう。ちなみに尿崩症ではきちんと飲水をするので実際にはDehydrationや高Na血症は起きないことが多いのです(血清Naは正常上限)。

 体液量減少の指標としては、体重減少、バイタルサイン(尿量や起立性低血圧含む)、中心静脈圧、超音波による下大静脈径の評価、診察所見、血液尿検査所見などがあります。どれも1つの所見であるなしを言えないので、組み合わせて“総合的に”判断しなければなりません。体液量減少では特に細胞外液量、ひいては有効循環血漿量の減少は循環不全へとつながるため、見逃してはいけません。細胞外液量の減少をとらえる指標を覚えましょう。以下は有効循環血漿量減少の典型例とも言える敗血症性ショックも見据えてその話も織り交ぜながらお話しします。

 体重は可能であれば必ずチェックです。朝食前に同じ様な服装で測ることが大事。食事摂取量に変化がなければ脂肪や筋肉量は不変と考えるため、体重の変化は体液量の変化を示します。食事や栄養輸液が無い時は異化作用が生じるため、非水分体重は1日で約0.3kg減ります。体重の変化は体液量の変化と非水分体重変化の和なので、体液量の変化は体重の変化に0.3kg×日数を足したもの。血清Na濃度に変化がなければこの体液量の変化は主に細胞外液の変化と言えます。血清Na濃度に変化があれば、それに伴い細胞内外での体液移動が起こります。何やら分かりづらいので式で示しましょう。

⊿総体液量=⊿体重+0.3kg×日数
⊿細胞外液量=⊿体重+0.3kg×日数+⊿[Na]×0.4×体重
(0.4×体重=細胞内液量)

 バイタルサインも重要。細胞外液量の減少により鋭敏な指標となってくれます。頻脈やsBP低下もありますが、有用なものは起立性低血圧や尿量変化です。起立性低血圧の評価法は、まずは仰臥位で血圧と脈拍を測ります。次に立たせて1-2分後に測定。立てない患者さんでは、ベッドに座ってもらいますが、足をベッドからおろした状態にしてもらいます。ここ忘れやすいので要注意。そして、起立性“低血圧”と言いますが、より鋭敏なのは血圧低下(⊿sBPで20mmHg以上)ではなく脈拍増加(⊿HRで30bpm以上)や立ちくらみの症状とされています。尿量については、腎臓が体液量変化に非常に敏感であり、尿量を調節することで体液を一定にしようと頑張っています。なので、尿量を見ることは非常に大切。必ず蓄尿、と言いたいのですが、患者さんは往々にして溜めることを忘れてしまうため、不正確なこともあります(バルーン入ってれば楽ですけどね)。推移が重要ではありますが500mL/day以下であれば細胞外液量の減少を示唆します。また、A-lineが入っていれば動脈圧の呼吸性変動(ベースラインからの低下が5mmHg以上)、それが無くてもパルスオキシメータで検出されるプレチスモグラフィ波形でも呼吸性変動を確認です。ただ画面を見てすぐ計算は難しいので、パルスオキシメータの波形に関しては、眺めて変動がありそうだと感じることを第一にしましょう。今はそれも数値化表示出来る機械もあるらしいですね。ここで深入りして、これらの波形とパルスオキシメータ波形の呼吸性変動の見方を少し眺めてみましょう。
 血管が開くことで循環血漿量が相対的に低下したseptic warm shockでは波形のピーク値の呼吸性変動が強く出てきます。心拡張期に形成されるdicrotic wave(重複波)は,体血管抵抗(心後負荷)が強い際に高まり、体血管抵抗の低いseptic warm shockでは消失する傾向にあります。波形の立ち上がり角(dp/dt)は心収縮性を示し、そして波形下面積(AUC: area under curve )は心拍出量に比例すると言われます。輸液をしていく上ではこの呼吸性変動が軽減され、dp/dtが高まることを確認しましょう。輸液による心前負荷時やカテコラミンの使用時は、dicrotic waveやdp/dtの変化を時系列で追っていくことが大事になります。

 中心静脈圧(CVP)も大事大事と言われています。身体診察でのCVP推定は有名ですね。内頸静脈が推奨されていますが、外頸静脈でも評価に耐えうるとしています。ただ患者さんの身体を傾けて5cm足して、、、というのは本当に正確なCVPを反映しているのかは疑問があり、それよりも大まかにとらえて、座位で外頸静脈が張っていたら細胞外液が多い、臥位で外頸静脈が虚脱していたら細胞外液が減っている、と大きく考えた方が良いかもしれません。また、CVPと言えばseptic shockにおけるEGDT(Early Goal Directed Therapy)という治療指針が有名です。その目玉は、severe sepsisやseptic shockではCVPを8-12mmHgを目標に等張液輸液(必要なら輸血)を行いましょう、というもの。2008年のSurviving Sepsis Guidelineもこれを踏襲しています。

 しかし今後はちょっと事情が異なってきそうです。EGDT研究では水分投与量または水分出納量と死亡率との相関は認められていないのですが、SOAP studyではそれとは異なる結果が出ており、水分出納量がプラスであると死亡率が上昇することが示されました。VASST studyでは、水分出納量が多いほど、そしてCVPが高いほど死亡率が高いことが示されました。EGDTに反しCVPが8mmHg未満の死亡率がそれ以上よりも低かいという結果が出て、更に治療開始12時間後における水分出納量が約プラス3Lの時に、最も生存率が高いのではないかとされました。Septic shock発症から12時間を過ぎると、中心静脈圧は輸液反応性(試験的な輸液投与によって心拍出量が上昇するかどうかの反応性)の予測に役立たないばかりか、水分出納量の指標にもならないと言われてしまいました。CVPを重視しすぎるのはよろしくありません(Fluid resuscitation in septic shock: A positive fluid balance and elevated central venous pressure are associated with increased mortality: Critical Care Medicine: February 2011 - Volume 39 - Issue 2 - pp 259-265)。

 血管内の容量を見るなら、今は超音波の心窩部走査で下大静脈径を見る方が分かりやすいですね。バイタルサインよりも早期に異常が出てくると言われています。ただし10%ほどの患者さんでは、どんなに頑張ってプローブを動かしても評価に耐えうる下大静脈を描出するのは難しいようです。
 診察所見に有用なものは乏しいとされます。JAMAのRational Clinical Examinationには診察所見の細胞外液量減少に対する感度や特異度を調べた論文がありますが、細胞外液量減少の評価が甘く試験方法があまりよろしくないので、過度の信頼は禁物です。一応その中で有用とされたものは、腋窩乾燥(LR+2.8)、眼球陥没(LR+3.4)、言語不明瞭(LR+3.1)、Capillary Refill Time延長(LR+6.9)となっています。もっともLR+の高いCapillary Refill Timeですが、これは小児においては有用でしょうが、成人ではあまり大きな威力を持っていません(ちなみに、この記事では起立性低血圧をバイタルサインのところで取り上げています)。浮腫、についてですが、これは細胞外液量の増加を見ています。ただし、正確には細胞間質を反映したもので、septic shockに代表される激しい炎症状態では血管壁バリアが損傷されアルブミンも消費されてしまうため、血管内は水が足りないのに浮腫を起こすという事態が生じます。よって、浮腫があるから輸液を絞らないといけない、というのは間違っていることもあるため注意が必要です。このタイプの血管内容量の低下は、炎症からの復帰と栄養状態の改善を早期に立てないとなかなか難しく、等質晶質液のみではどんどん細胞間質に水分が逃げて行ってしまいます。高度の低アルブミン血症で循環不全になり腎臓にもガタが来て、、、など、何ともならない時はアルブミン液などが適応になるでしょう。浮腫の診察をする際、Sapiraの診断学にはPit Recovery Timeを見ることが有用と記載されています。これは前脛骨部を圧迫して、それから戻ってくる時間を計測するものです。低アルブミン血症が原因の浮腫では、40秒以内に戻ってきます。条件としては3ヶ月以内に発症した場合に限定されます。

 血液尿検査では、Ht, Alb, UAの相対的な上昇、BUN/Cre>20、尿浸透圧>500mOsm/L、尿比重>1.020、尿Cl<20mEq/L、FENa<0.1%、FEUN<35%などを見て行きます。先ほども言ったように、患者さんは蓄尿を素直に行ってくれません。なので、スポット尿での判断が必要な場合はかなり多いです。また、蓄尿だと開始から24時間経たないと分かりませんが、スポット尿だと受診してすぐその場で取れて検査に出せます。患者さんの最初の尿はダイヤモンドよりも価値がある、と誰かが言ってましたし、色んな事が分かりますよ。ただし、尿検査と言うものは常に尿量とのバランスや腎機能を考える必要があります。特にFENaはGFR低下に反比例して上昇しますし、利尿薬使用で上昇します。その際はFEUNの出番。尿Cl濃度も高度の代謝性アシドーシス、副腎不全、利尿薬使用で上昇するため、この時は尿Na濃度を用いた方が良いでしょう。

 以上が主に細胞外液量の減少をとらえる指標でした。しつこいようですが、細胞外液量が減ると循環不全を起こしてしまいます。特に腎臓は身体の水を管理する元締めですから、腎障害となってしまっては身体の恒常性を維持するのが大変。循環不全は何としても避けたい、そして早く回復させたいものです。

 先ほど腎臓は尿量を調節して体液量を一定にしようと頑張っていると言いましたが、ちょっとここで腎臓と尿についてお話しします。尿は血液が糸球体で濾過された原尿が素材。「尿量を保て」と良く指導医から言われると思いますが、「尿量を保て」=「原尿を保て」=「有効循環血漿量を保て」と解釈しても良いでしょう。有効循環血漿量が足りなくなると原尿が作られなくなりますし、また、血液が来ないということは、腎臓がやられてしまいます。だから、尿量を保つことは大事なのです。じゃあ利尿薬を使えば良いのではと思うかもしれませんが、ラシックス®やドパミンrenal doseは尿量を確かに上げます。しかし、腎機能を保つことには必ずしもつながりません。それは、彼らは尿細管以降に働きかけるからです。原尿を保てないことは腎臓に血液が流れていない証拠。それよりも後の機構に作用したところで、腎機能は良くならないのです。ただし、心不全などで有効循環血漿量が落ちて血液の流れが渋滞している時は、その渋滞緩和のために利尿薬を用いると言うのは合理的。
# by m03a076d | 2012-01-26 00:46 | ★思うこと・医学一般 | Trackback | Comments(0)
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